『中山峠横断』
この計画は前年の春に立てられ、秋10月には実行の準備として、部員5名は定山渓からこの横断を徒歩で行った。そうして精細に道順や山の形、危険な場所等を調べておいたのであって、その用意周到さの前には唯頭の下がるを覚えるのみである。10日午前7時20分、札幌馬鉄会社前を出発、途中定山渓や、小屋に泊まりを重ねつつ中山の峻嶮を突破し13日夕刻喜茂別に到着、さらに一泊を重ねて14日倶知安まで7里の道を平地滑走した。斯くして全行程26里に亙る本邦空前の長途スキー旅行は、見事に成功したのであった。
<班報第1号(昭和16年)より抜粋>